ハートロッカー
「と言うか、矛盾してるのもいいところだと思うわ。

さっきはあきらめないとか言ってたくせに、どうして今あたしに考える時間をあげるって言うの?

それって、変じゃないかしら?」

「ええ、あきらめないですよ」

俺は言った。

「じゃあ、あたしが出す答えはわかっているんでしょう?」

「もちろん、“ノー”ですよね?」

答えを当てた俺に三春さんは口を閉じた。

すぐに口を開くと、
「“一匹狼だ”って言う答えは、思いつかなかったのかしら?」
と、言った。
< 111 / 153 >

この作品をシェア

pagetop