ハートロッカー
そう言えば、いつだったか三春さんは自分のことを“一匹狼”だと言っていた。

三春さんは息を吐いて、俺から目をそらした。

「あなたから考える時間を与えられても、あたしは考えないわ。

考えても、答えは変わらない」

「だけど、三春さんの返答によっては俺もあきらめるかも知れないですよ」

「何よそれ…。

あなたって、訳がわからない…」

わからないと言うことは、俺のことを知りたい。

そううぬぼれても、バチは当たらないと思う。
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