ハートロッカー
「お前だけには言われたくねーわ。

七緒もめでたい一族の一員のくせに」

「何がめでたい一族だ、意味わかんねーよ」

「いろいろな意味でめでたいじゃねーか。

名前と言い、誕生日と言い、七緒の方がよっぽどめでたいよ」

「何だとー!?」

「お前たち、静かにせんか!

昼休みはとっくに終わってるぞ!」

ケンカ寸前の俺と七緒を止めたのは、日本史担当の山下の声だった。

「あっ…」

「すんません…」

クスクスと笑うクラスメイトたちの声を聞きながら、俺たちは大人しくケンカを止めた。
< 118 / 153 >

この作品をシェア

pagetop