ハートロッカー
その放課後。

山下にこっぴどく叱られた俺と七緒は職員室を後にした。

「5分くらい、別に見逃してくれたっていいじゃねーか」

教室に向かう道のりで七緒は毒づくように言うと、息を吐いた。

「仕方ねーだろ。

あの頭の固いクソジジイは授業妨害が大嫌いなんだから」

「はっ、俺の周りは頭が固いヤツらばかりか」

あーだこーだと悪口を言っていたら、あっという間に教室に到着した。

「じゃあ、俺は寧々の見舞いに行ってくるから」

机のうえに置いてあるカバンを持った七緒に、
「おう、お大事にって言っとけよ」

俺もカバンを持った。
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