ハートロッカー
あたしは部屋を出ると、
「シャーペンの芯が切れちゃったから、ちょっとコンビニに行ってくるね」

キッチンで夕飯の準備をしている一葉姉さんにそう言うと、あたしは家を出た。

近くのコンビニに入ると、ATMでお金を全額下ろした。

行ってきた証拠として、シャーペンの芯2つとパックのレモンティーを購入した。

「ありがとうございましたー」

店員の声を背中で受け流しながら、コンビニを後にした。

空を見あげると、すっかり日が暮れて真っ暗だった。

行き先は…それに関しては、明日決めよう。

「寒ッ…」

そう言えば、コート着てくるのを忘れていた。

コンビニに行くだけだし、何よりお金を下ろすことに頭がいっぱいだった。
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