ハートロッカー
明日、あたしは家出するのか…。

不思議な感じだ。

今までも家出をしようと思ったことが何度もあった。

あっただけで、結局は実行に移すことができなかった。

それが今、家出を決意して、明日実行に移そうとしている。

「三春じゃんか。

こんなところで何突っ立ってんの?」

後ろから声をかけられて視線を向けると、安部だった。

手にスーパーの袋を持っているところを見ると、買い物の帰りだと思った。

「コンビニに行ってた。

シャーペンの芯が切れちゃったから…」

呟くように答えたあたしに、
「ふーん、そう」

安部が返した。
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