ハートロッカー
「え、ああ、はい…」

俺はどうすることもできず、ただ首を縦に振ってうなずくことしかできなかった。

何だか、あまりこの話題に触れて欲しくないって言う感じだ。

「あ、そうだ。

後、これも一緒にお願いします」

俺は手に持っていた限定盤と受け取ったレコードを九重さんに差し出した。

「はい、２枚で１０００円ね」

九重さんは値段を言った。

俺はズボンのポケットから長財布を出すと、１０００円札を出した。

それを九重さんに渡す。

「はい、毎度」

九重さんはニッと笑うと、俺から１０００円札を受け取った。

「じゃ、またきまーす」

俺は２枚のレコードを胸に抱きしめると、『アウト・ブルース』を後にした。
< 14 / 153 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop