ハートロッカー
そう言えば、千波のおじいちゃんは喫茶店を営業していると言っていた。

休みの日は店の手伝いをしているのだとも、言っていた。

まさかそのお店にきてしまったなんて…。

「三春ちゃんが来店してきてビックリしたー。

どうしたの?」

千波は嬉しそうに言うと、あたしの向かい側の席に腰を下ろした。

「…近くまで用事があったから、それで…」

とっさに思いついたウソは、彼女に気づかれていないだろうか?

「へえ、そうなんだー」

…よかった、気づかれていなかった。

あたしはホッと胸をなで下ろした。
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