ハートロッカー
「ヤな人だね、本当に」

あたしは呟いた。

その呟きが聞こえたのか、
「三春さんが俺のことを嫌っていても、俺は三春さんのそばにいたいんです」

大政が答えた。

「いいえ。

三春さんが俺のことを好きになっても、そばにいたい」

…何よそれ。

呆れて何も返せないとは、まさにこう言うことだと思う。

あなたのことを好きになったって、絶対に言わないわ。

ううん、好きになんてならないわ。

「これ」

大政があたしの前にプレゼントを差し出す。

あたしがさっき彼に投げた、あのプレゼントだ。
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