ハートロッカー
七緒はポッキーをもう1本袋から取り出すと、
「で?」
と、俺に言った。

「で?」

俺はマネするように返した。

「太が一目ぼれしたって言う“三春さん”はどう言う人なの?」

おお、食いついてきたぞ!

「まずは、年上。

大学1年生だって言ってた」

「ほお」

「次に、黒髪」

「ほお」

「最後に、クールな美人」

「ほーん…」

七緒は返事をすると、ポッキーをかじった。

「クール美人の三春さんをどう口説き落としましょうかなって、考えてた訳でございます」
< 19 / 153 >

この作品をシェア

pagetop