ハートロッカー
武瑠と今井が何事かと言うように俺を見ている。

「たった今九重さんからメールがきたんだ。

これ、2度とくるなって言われる予感がするわ…」

呟くように言った俺に、
「ヘタしたら殴られる可能性だってあるぞ」

武瑠が追い打ちをかけた。

「もうこれは、本当にあきらめるしか手はないぞ」

今井が言った。

「だよな…」

呟いた後、スマートフォンをブレザーのポケットに入れた。


その日の部活終わりは、気が重い以外何にもなかった。

「じゃ、またなー」

校門の前で2人と別れた後、俺は『ニコニコ横町』へ向かった。
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