ハートロッカー
九重さんはカウンターの席に座っていた。

俺は彼の隣に腰を下ろした。

「何になさいますか?」

爽やかな笑顔で笙さんが聞いてきた。

「カフェラテを1つで」

「カフェラテですね」

笙さんは玲奈さんに視線を向けた。

玲奈さんはわかったと言うようにうなずいた。

「お待たせしました」

俺の前に温かいカフェラテが置かれた。

1口カフェラテを飲むと、それまで重かった気が少しだけ軽くなったような気がした。

九重さんは俺がカフェラテを飲んだことを確認すると、
「三春から話は聞いたよ」
と、言った。
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