ハートロッカー
「よし!」

突然九重さんが叫んだので、俺たちは驚いてピョンと飛びあがった。

急にどうしたんだ?

俺たちは九重さんに視線を向けた。

「太くん、土日学校休みだったよね?」

九重さんがそんなことを聞いてきた。

「えっ…ああ、はい…」

当たり前のことを聞かれ、俺はうなずいて答えた。

「その土日なんだけど、『アウト・ブルース』でバイトしない?」

九重さんの質問に、俺はどう答えればいいのかわからない。

戸惑っている俺に、
「こづかい程度にお給料は出すし、テスト期間や学校行事はお休みにしてあげるから」

頼んでもいないのに九重さんはしゃべっている。
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