ハートロッカー
あたしのことが好き…ねえ。

「九重兄さん、ずいぶん彼の味方をするのね。

常連客だから?」

そう言ったあたしに、
「まあ、3割はそれかな」
と、九重兄さんが言った。

後の7割は一体何だ?

気になったけど、聞かない方がいいパターンかも知れない。

「あたし、そう言うの興味ないからいいわ。

彼があたしのこと好きだろうが何だろうが、そんなの知ったことないし」

呆れたと言うように言ったあたしに、
「そうか」

九重兄さんは返事した。

「まだまだ時間がかかりそうだな」

「何が?」

そう聞いたあたしの質問に答えることなく、九重兄さんは彼らが待つ1階へ降りて行った。
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