ハートロッカー
翌日。

「じゃあ、頼んだぞ」

九重兄さんはそう言うと、一葉姉さんと一緒に店を出て行った。

あたしは息を吐くと、開店準備を始めた。

「火曜日じゃなくて日曜日をお休みにすればいいのに」

簡単に店内の掃除を終えると、表にかかっている「Close」の札を「Open」にひっくり返した。

「おはようございまーす」

大政があいさつをしながら店の中に入ってきた。

あたしはチラリと読んでいるマンガから彼の姿を一瞥した。

「あれ?

九重さんは?」

大政が店内にあたし1人しかいないことに気づいたようだ。
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