ハートロッカー
「この前、カチューシャで止めてましたよね?」

あたしはマンガに視線を戻した。

「あの…三春さん、話聞いてます?」

「話どころか視界にも入れていないんだけど」

「えっ…」

大政が固まったのがわかった。

「と言うか、日曜日であんまり人こないから今日帰っていいわよ?

店番はあたし1人でやるから」

「三春さん」

あたしの視界に大政が入ってきた。

ギッと、あたしは彼ににらみを効かせた。

だけど、
「少しくらい、俺と話をしましょうよ」

あたしのにらみはまるで効いていない。
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