ハートロッカー
「俺がここでバイト始めてから三春さんがいなくなることが多くなって、それで九重さんに頼んだんです。

三春さんのこともっと知りたい、2人きりで話がしたいって。

俺の頼みに、九重さんは協力してくれて」

「それで九重兄さんと一葉姉さんをここから追い出して、あたしと2人きりにさせたと言う訳ね」

「はい…」

大政は正直に首を縦に振ってうなずいた。

あたしは呆れて息を吐いた。

全く、情けない提案である。

それに協力した九重兄さんと一葉姉さんも、何を考えているのだろう?

「悪いけど、断るわ。

あたしはあなたのことを知りたくないから」

「いや、俺のことは知らなくてもいいんです。

俺が三春さんを知りたいだけですから」

「なおさらね」

マンガに視線を向けようとしたあたしだったが、横取りされた。
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