ハートロッカー
「三春さんが俺に興味を持ってくれなくても、俺を知ってくれればいいんですよ。

誕生日とか、好きなものとか」

大政がそう言い返した。

「どうしてあたしがあなたのことを知らなきゃいけないの?」

続けて聞いてきたあたしに、
「俺が三春さんを好きだからです」

大政が答えた。

――あたしを好きだから、ねえ…。

あたしはあなたを好きになることなんてないと思うけど。

心の中で呟いたことを、口を開いて言おうとした時だった。

「あれ?

三春じゃん」

第3者の声がさえぎった。
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