空も飛べない…。
空も飛べない…
雪が降り出しそうな、灰色の空。
風が優しく体を撫でて行くが、その優しさとは裏腹にただ体温を奪い去ってく。
今の俺にはそんなコト、
どうだっていいんだ。
君がいないから。
もう温もりを確かめるコトが…出来ないから。
――カンカン…
どこかのビルの階段を、淡々と、単調なリズムで上がってく。
……なぜだろう。
すごく落ち着くんだ。
これから
自殺しようと思ってるのに。