空も飛べない…。
…違う。
自殺しようと思ってるから、落ち着くのか?
前は、出来なかったくせに。
こわかったくせに……。
階段を上がり切り、屋上に着いた。
低めのフェンスを乗り越えて、下の景色を眺める。
幸せなのか、
不幸なのか…。
ただ人が行き交う。
だけど、このビルが少し高いから、人が小さく見えた。
風がまた吹いた。
…感覚がなくなったのだろうか。
風が……すごく心地良いんだ。
重たそうな、灰色の空を見上げて、笑った。
「もうすぐ、君のそばにいくから…」