空も飛べない…。


「だ…め…」


その子は、息切れをしている。


でも、必死で俺に訴える。



「そんなこと、したら…だめだよっ!!」

俺は振り返らずに、ただ空を見上げ、投げかけた。


「どうして?」


「……っ」


息がつまる音。
動揺しているのだろう。

そのまま、続けて言う。



「…ただ、空を飛びたいだけだ」

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