スイートな御曹司と愛されルームシェア
「見ず知らずの女性を危険な目に遭わせたくなかった。だから、俺が引き受けることにしたんです。あなたに近づこうと、居酒屋に続いてバーにも行った。そうしながらも、どうにかあなたを巻き込まずに、母を守る方法を一生懸命考えた。でも、いくら考えても何も思いつかない。そのうち飲み過ぎてしまって……。家にも帰れず、どうしようもない気分で外でうずくまっていたら、咲良さんが俺を見つけて、〝ラッキーの居場所は私のうちだけなのよ〟って言ってくれたんです。あのときは、こんな俺に居場所をくれる人がいるんだってすごく嬉しかった」
咲良は黙っていた。翔太が本心で話しているのか、わかりかねたからだ。
「咲良さんのそばにいられて本当に幸せだった。咲良さんと一緒にいると、俺が俺でいられるんです。〝試合中の方が凛々しかった〟って幻滅されないよう普段からかっこつけたり、後妻の息子だから優遇されてるって思われないよう身の丈以上に振る舞ったりしなくてすむ……。素の俺でいられるんです。いっそのこと何もかも忘れて、ずっと一緒にいたいとさえ思っていました。咲良さん、あなたの言葉に俺は何度救われたことか。まっすぐで不器用で、強くて弱くて、優しい咲良さん。どんなあなたも愛おしい。それは嘘偽りのない本当の気持ちです」
咲良が何も言わないので、翔太が話を続ける。
咲良は黙っていた。翔太が本心で話しているのか、わかりかねたからだ。
「咲良さんのそばにいられて本当に幸せだった。咲良さんと一緒にいると、俺が俺でいられるんです。〝試合中の方が凛々しかった〟って幻滅されないよう普段からかっこつけたり、後妻の息子だから優遇されてるって思われないよう身の丈以上に振る舞ったりしなくてすむ……。素の俺でいられるんです。いっそのこと何もかも忘れて、ずっと一緒にいたいとさえ思っていました。咲良さん、あなたの言葉に俺は何度救われたことか。まっすぐで不器用で、強くて弱くて、優しい咲良さん。どんなあなたも愛おしい。それは嘘偽りのない本当の気持ちです」
咲良が何も言わないので、翔太が話を続ける。