スイートな御曹司と愛されルームシェア
 回らない頭とぼやけた視界のまま、その栗色の毛を撫でる。思ったよりさらさらして指通りが良く、ラッキーの毛よりも柔らかい。

「こんなところでうずくまってどうしたの? 迷子?」

 覗き込んだ咲良の目を、つぶらな鳶色の瞳が見返す。

(なんてかわいい瞳なのっ!)

 咲良は胸が高鳴るのを感じた。ラッキーならどうしてもうちに連れて帰りたい!

「ね、うちにおいでよ」
「……いいの?」

 ラッキーがそう訊くので、咲良はその首をギュッと抱きしめた。

「当たり前じゃない! ラッキーの居場所は私のうちだけなのよ! だから、うちにおいで」

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