スイートな御曹司と愛されルームシェア
「いいよ、岡崎先生に二言はない。しばらくうちで面倒を見てあげるわ」
「本当ですか?」

 翔太の顔がパッと輝く。

「ただし、行く当てが見つかるまでよ。それにそれまでは私の言うことを聞くこと」
「はい、何でも聞きます! 咲良さんに従います!」

 嬉しそうに笑う翔太の顔は、尻尾を振る子犬のようで、とても二十六歳の男とは思えない。咲良は小さく笑みを漏らして言う。

「じゃあ、私の家にいる間はラッキーになってよ」
「つまり、咲良さんと一緒に寝るってことですか?」

 彼が嬉しそうに笑うので、咲良は驚くよりも呆れながら答える。

「あのね、ラッキーはいつもベッドの下で寝てたの。さすがにそれはかわいそうだから、ソファを使わせてあげる。毛布も新しいのを買うからそれを使いなさい。それに、そもそもラッキーは女の子だったのよ」
「女の子……」
「そう。だからラッキーと同じく、あなたも私の友達か、妹みたいな存在になるってこと」
「つまり、スキンシップはなしってこと?」

 翔太がいたずらっぽく笑い、咲良の頬に朱が差す。
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