スイートな御曹司と愛されルームシェア
「咲良さんがいつもスーツ姿なのは仕事のためだそうですよ。生徒さんだけでなく保護者の皆さんにも信頼と安心感を持ってもらえるように、きちんとした服装でいるんだって話してくれました」
「でも、楢木さんは……なんて言うか垢抜けていて、姉とは雰囲気も正反対だし……。いったいどこで知り合ったんですか?」
百々花のぶしつけな質問に、父が「こら、百々花」とたしなめたが、翔太は笑顔のまま口を開いた。
「咲良さんがよく行かれるテニスクラブで知り合ったんです。僕のテニスの腕があまりにひどいので、見かねて教えてくれるようになって。それで親しくなったんです」
ここに来るまでに打ち合わせていた内容を、翔太がよどみなく話す。
「付き合ってどのくらいですか?」
「まだ一ヵ月です。でも、これからずっと長くお付き合いしたいと思っています」
翔太の頼もしい口調に、演技だとわかっているとはいえ、咲良はむずがゆいような嬉しさを覚えた。
「それじゃあ、僕たちの結婚式にもぜひ来てください」
貴裕が初めて口を開いた。
「ご招待していただけるとは光栄です」
翔太とは頃合いを見計らって別れたことにするのだから、咲良はそれ以上話を進めまいと、話題の方向性を変えにかかる。
「でも、楢木さんは……なんて言うか垢抜けていて、姉とは雰囲気も正反対だし……。いったいどこで知り合ったんですか?」
百々花のぶしつけな質問に、父が「こら、百々花」とたしなめたが、翔太は笑顔のまま口を開いた。
「咲良さんがよく行かれるテニスクラブで知り合ったんです。僕のテニスの腕があまりにひどいので、見かねて教えてくれるようになって。それで親しくなったんです」
ここに来るまでに打ち合わせていた内容を、翔太がよどみなく話す。
「付き合ってどのくらいですか?」
「まだ一ヵ月です。でも、これからずっと長くお付き合いしたいと思っています」
翔太の頼もしい口調に、演技だとわかっているとはいえ、咲良はむずがゆいような嬉しさを覚えた。
「それじゃあ、僕たちの結婚式にもぜひ来てください」
貴裕が初めて口を開いた。
「ご招待していただけるとは光栄です」
翔太とは頃合いを見計らって別れたことにするのだから、咲良はそれ以上話を進めまいと、話題の方向性を変えにかかる。