スイートな御曹司と愛されルームシェア
「ということは、貴裕さん、ついに百々花にプロポーズしたんですかぁ?」
わざとらしいくらい明るいノリで訊く咲良に、貴裕が照れくさそうに笑って答える。
「前々からそういう話はしていたんですが、先日正式にお伝えしました。それで、今日はお義父さんとお義母さんにその報告も兼ねてご挨拶に来たんです」
それで今日は母もしつこかったのか、と咲良は納得した。何気なく百々花の左手を見ると、薬指で天井のライトを反射して、何かが小さく輝いた。
「わ、百々花、それエンゲージリング? 見せて見せて」
「あ、うん……」
百々花が頬を染めて左手を咲良に向けた。咲良は話題が変わって百々花の詮索癖から逃れられそうなことに、内心胸を撫で下ろした。
それから母も加わって、ケーキを食べながら話をする。
「楢木さんはどんなお仕事をなさってるの?」
母の質問に咲良はドキッとしたが、さすがに昨日まで働いていたからか、翔太の口調は落ち着いていた。
「グループ関連会社の株式の保有管理などを主に行っています」
「よくわからないけど、難しそうなお仕事ね。お若いのに経営企画部長だなんてすごいわぁ」
「いえ、周りのサポートがあってこそです。咲良さんも塾生に熱心に指導されていて、頭が下がる思いです」
わざとらしいくらい明るいノリで訊く咲良に、貴裕が照れくさそうに笑って答える。
「前々からそういう話はしていたんですが、先日正式にお伝えしました。それで、今日はお義父さんとお義母さんにその報告も兼ねてご挨拶に来たんです」
それで今日は母もしつこかったのか、と咲良は納得した。何気なく百々花の左手を見ると、薬指で天井のライトを反射して、何かが小さく輝いた。
「わ、百々花、それエンゲージリング? 見せて見せて」
「あ、うん……」
百々花が頬を染めて左手を咲良に向けた。咲良は話題が変わって百々花の詮索癖から逃れられそうなことに、内心胸を撫で下ろした。
それから母も加わって、ケーキを食べながら話をする。
「楢木さんはどんなお仕事をなさってるの?」
母の質問に咲良はドキッとしたが、さすがに昨日まで働いていたからか、翔太の口調は落ち着いていた。
「グループ関連会社の株式の保有管理などを主に行っています」
「よくわからないけど、難しそうなお仕事ね。お若いのに経営企画部長だなんてすごいわぁ」
「いえ、周りのサポートがあってこそです。咲良さんも塾生に熱心に指導されていて、頭が下がる思いです」