適当魔法少女・りおん!!
「誰も欠ける事なく、無事に還って来て下さい――」
何も出来ないもどかしさを含んだ鏡花の想いが、教室に漂う――。
「皆さん、行きますわよ――」
リンスロットが斬り込み、教室を出る――。
アンテロッティ、ローグ、コステリッツが続く――。
自然と、シフォン班の魔法少女達が、欧州カルテットの後を追う――。
何人かは、成長した命が棲まう鏡花の腹部に触れ、胎動の温もりを感じ「女」を共有し、安堵の表情で教室を出てゆく――。
「んじゃ、私達も行こうかね――」
キャサリンが飛び出す――。
まじないの様に鏡花に「触れる」魔法少女達――。
「行って来ます――」
ひばりの手が、命の鼓動から離れ「お約束」な立場でりおんは独り、鏡花と対峙する――。
「頼みますよ、ポーターさん――」
「うむ、わかっている――」
複雑な鏡花の「想い」を読み解き、簡潔に応えるステッキさん――。
「では、鏡花先生――」
「はい、行ってらっしゃい――」
微笑む鏡花――その表情に、取り繕いはない――。
りおんの手が伸びる――。
が、絶ち切る様にりおんは全身を「支配」し、止めた――。