適当魔法少女・りおん!!

何も仰々しくしなくてもいい――。


戻って幾らでも触れられる――。


りおんの「適当」が「恐れ」を凌駕し、まじない行為を抑制した――。


そう――。


わたしは、還る――。


この世界に――。


何事もなかった様に、りおんは教室を後にする――。


黙って鏡花は、りおんの背中を見送った――。


鏡花の中の忘れ得ぬ人物と重ね合わせながら「あれが、りおんさんよ――」と、自身の分身である「少女」を擦り、言い聞かせた――。




かの、広くない屋上では、シフォンを先頭に空へ旅立つ魔法少女達――。


彼女達の魔方陣そして、姿が消える――。


「光学迷彩か――」


サイレントモードを理解したりおん――。


「くれぐれも、しくじらない様に――テキサスの田舎娘さん――」


浮いたリンスロットが、キャサリンを見下ろし、言う――。


「こまっしゃくれこそ、ヘマすんなよ――」


「ふっ――」


柔らかい笑みを残し、リンスロット率いる欧州カルテットが「消える」――。


「必ず還って来てね――」


「わかってるよ――」


気恥ずかしさを覆い隠す「文脈」の真意は、きっとこうなのだろうと、空を見上げるキャサリンの佇まいから、りおんは読み解き、その関係性を心で微笑んだ――。

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