適当魔法少女・りおん!!
地球が「遠い」――。
魔法でどうにかなっているとはいえ、こんなにも離れて還れるのだろうか――。
しかし、これが現実――。
あり得ない事が、あり得て、24人の少女が宇宙に舞う――。
魔法、不安、恐れ、そして――適当――。
りおんの中でひしめくそれぞれの感情と折り合いをつけ、最も都合のいい「適当」な感情と性質を躰から放出させ、戦わなければならない――。
それが自分の「本質」である――。
地球を眺めながら、りおんは淑やかに自身の魂に微笑んだ――。
「目標が攻撃可能距離に達しました――」
鏡花が告げる――。
『攻撃開始っ――』
シフォンとエリザベスが、戦端を開く――。
「欧州カルテットの皆さんは、衛星型をお願いします――残りはできるだけ私達で壊滅します――」
シフォンがリンスロットに告げた――。
ひとつしか歳が違わないのに、それ以上の差を感じさせる大人びた趣と声――エリザベスとの明確な差違――。
自身もエリザベスも、ゴールドスターだが、四人の関係性と実力を尊重し「雑音」にならない配慮を見せる――。
「わかりました――」
リンスロットは、シフォンの想いに呼応した――。