適当魔法少女・りおん!!

「おっと、そいつぁ聞き捨てならないなぁエリザベス姉さん――」


キャサリンが、過敏に反応し、その仕草にドロシーが微笑む――。


「お戯れもここまでか――ハンセンっ――」


「はいよキャシーっ――」


持てる力を駆使し、更に赤く発光したハンセンをしならせ、周りの人型、キューブ、ウェーブタイプを蹴散らすキャサリン――。


その勢いは、他の魔法少女達や、ひばり、りおんと対峙していたダークエネルギーさえも消し去る――。


キャサリンの「豪快」さに、さりげないドロシーのフォローも心憎い――。


「ほぉぅ、これは凄いですねぇ――」


二人の関係に、感嘆の声を上げながら、残った人型、キューブ、ウェーブタイプを「始末」してゆくエリザベス――。


欧州カルテットの優雅さ、キャサリンの豪快さに裏打ちされた緻密さに覆い隠されるエリザベスとシフォンの実力――。


裏方に徹すると表現すればそれまでだが、欧州の特殊な事情と、つけ入る隙を窺うアメリカの見えない重圧と策略の景色をぼんやりと感じているエリザベスとシフォンは、あえて「前」に出ないと、意識を控えているのかもしれない――。


そこに両国政府の「指示」が介在しているかは定かではない――。


否応なく「代理戦争」の主戦場として荒らされる少女達の魂――。

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