適当魔法少女・りおん!!
「はぁ、全てが出鱈目ですわ――」
とっくに自我を取り戻していたリンスロットは、緩い会話を続ける二人を厳しく見つめ、口と言葉を尖らせる――。
「そんな事言って――やろうと思えば、スラッシュ弾だって何だってやれたろうに――」
「もしかして、手を抜いた――」
「うんうん――」
リンスロットの心情を知ってか知らずか、からかい気味にアンテロッティが探り、ローグは「直球勝負」で挑み、コステリッツは全てを理解しているかの様に深く頷く――。
「まぁ、やろうと思えば、そうですわ――でも、決して手を抜いた訳ではありませんのよ――今回はあの二人にお任せしただけですわ――」
「それにしても、妙なダークエネルギーですわ――」
「やっぱり、あれか――」
「さぁ、確証はありませんわ――向こうもボロは出さないでしょうし――」
リンスロットは声質を落とし言い、誘惑に満ちた輝き達を睨む――。
「ハンセン、データ記録したな――」
「あぁ、バッチリだぜキャシー――」
欧州カルテット組が、言い知れぬ懐疑と不安の情を滲ませているのをよそに、ひばりおんの全てを「手中」にしたキャサリンとハンセンの表情と声は高揚する――。
横に佇むドロシーの少し作為的なはにかみが、裏に潜み蠢く大人達の画策を意味づける――。