適当魔法少女・りおん!!
「いや、その必要もないだろう――もう対価は受け取っているからな――」
ニヒルなステッキさんが言う――。
「ええと、それってお金って事かな――」
「そうだりおん――さっきジュリアナと繋がっている時にこっそりと彼女の意識階層に潜り、覗いて判明した二回の時限式記憶消去魔法の報酬が、この金額だ――」
あの音を控えめに鳴らし、ディスプレイにステッキさんは金額を表示する――。
「ええええっ、こんなに――」
眼球が飛び出す勢いのりおん――。
「き、九桁って――もう一生遊んで暮らせるよぅ――」
「驚いたか――」
「現実感がないよぅ――」
少女には「途方もない」金額が、りおんを脱力させ、躰を揺らす――。
「これが魔法少女だ――」
「また、ざっくりと纏めちゃって――」
「はぁ――マリカ先輩には改めて挨拶に行くとして――ステッキさん、サンプル動画繋がりで聞きたいんだけど――」
「どうした、りおん――何を聞きたい――」
「あのね、サンプル動画3番は闇に葬るとして、サンプル動画2番なんだけど――」
「――――」
「あれって、実在する人物なの――」
「んんっ――」