適当魔法少女・りおん!!
「ちょっとっ、何でついてくるのよっ――」
鞄の中で、「小型化」している奴にりおんは囁く――。
「何でって――りおん、それがポーターの役目だからだ――」
「また、最もらしい事言って――とにかく、始めが肝心なんだから、余計な事しないでよっ――」
「私を見くびっては困るな、りおん――ちゃんとわきまえているさ――紳士だからな――」
「頼むわよっ――」
部屋にいないと思ったら、やはり鞄の中に――限られた「悪い」想定に当てはまった事に深い落胆めいた息を吐くと、りおん達は4階に到達していた――。
A組――
B組――
C組――
とうとう、E組をもスルーしてゆく鏡花――。
「ここが、りおんさんのクラスよ――」
やや跳ね気味の鏡花の声に、通り過ぎてきたクラスと明らかに異なる「表札」を見上げるりおん――。
「インターナショナルクラス――」
「ここで待っていて――」
首を傾げ、困惑するりおんを置いて、鏡花は教室へと入ってゆく――。
「皆、おはよう――」
「起立、礼――着席――」
壁を介しての日常風景――。