適当魔法少女・りおん!!
『プログラム遂行率、100パーセント――』
『マジカルリンクが強制解除されました――ダークエネルギー壊滅中のポーター及びその契約者は、これより10分以内に速やかに帰還して下さい――』
「ステッキさんっ、マジカルリンク強制解除って何なの――」
「魔法少女でなくなる――という事だ、りおん――」
焦り、不安が叫びとなって表現されたりおんの問いに、覆せない「事実」をステッキさんは、怒りと情けなさを滲ませ、告げる――。
「そういう事ですのでりおんさん、直ちに帰還して下さい――それと明日、正式にロックを施しますので、登校したら進路指導室へ来て下さい――」
「御姉様っ、何も今、こんな時に――」
「ヘルプがそちらに向かっています――早く帰還しないと生命に支障をきたしますよ――」
子供と稚拙な妹の言葉など、お構いなし――冷たく、大人の狡さを秘めた声質が、宇宙空間の全てと絡み合い、常識となる――。
「御姉さ――」
「リンスロットさん、あなたがこれ以上、評議院の決定に異議を唱えるのであれば、私の権限で一時的にマジカルリンク強制解除を執行します――」
「そ、それは――」