適当魔法少女・りおん!!
「そこにあなたの家庭環境の優位さ、立場は一切考慮されません――――私の言っている意味がわかりますね――」
「――――」
「もうよせ、リンスロット――足掻いてもどうにもならん――今は目の前のダークエネルギー壊滅に集中しろ――」
珍しくステッキさんが、リンスロットを「気遣う」――。
「わ、わかりましたわ――戻りなさい、りおん――魔法少女であればこそ、この宇宙空間で生きている事が許されているのです――」
「リンス――」
「普通の少女に還るりおんに、ここにいる資格はありませんわ――」
リンスロットの「正論」――。
宇宙線、太陽風等――人間にとって「有害」な環境下で生きていられるのは「魔法」が介在しての事――。
その恩恵を、あたかも「日常」の景色なのだと意識に刷り込まれ、馴らされていた事実を、普通の少女に「成り下がる」事で改めて思い知らされたりおん――。
瞬間、血の気が引き、魂が震える――。
「りおん、時間がないぞ――」
「わかってるよ、ステッキさん――」
『5分経過しました――』
りおんとステッキさんの虚しさを逆撫でするアナウンス――。