適当魔法少女・りおん!!
「還ります――エレノア先生――」
「そうですね――では明日、お待ちしています――」
「はい――――」
素っ気ないエレノアの対応――「諦めた」りおんの声――。
リンスロットの存在をも忘れた様に「寂しい背中」で還ってゆくりおん――。
「りおん――――」
呟くリンスロット――彼女の視線は、りおんの背中の向こう側でうねる評議院の画策と、冷えた「感情」を顕にする姉を見透す――。
「りおん、大丈夫――」
事の詳細を知らないヘルプのひばりが、りおんとすれ違う――。
「うん――――」
気の抜けた返事――りおんの記憶は、その時点からあやふやなままとなる――自室に還り、入浴し、録り貯めていたアニメを「隙間」を埋めるべく無意識に「貪った」――。
しかし、ストーリーの殆どを覚えてはいなかった――。
ロナール―クロフォード―エレノア――。
ロナール―クロフォード―リンスロット――。
歳の離れた美しい姉妹――。
最強魔法少女の家系――。
母は既に「他界」――。
魔法評議院、最高執行議長である父――。
評議院に「従順」なエレノア――。
評議院に「懐疑」なリンスロット――。
複雑怪奇に練り込まれるロナール家の環境と心情――。