適当魔法少女・りおん!!
半開きのドアを支え、リンスロットが二人を待つ――。
昼休みの、はしゃぐ雑音もここまでは届かず、薄暗く人の気配もない――。
キャサリンは先に扉の向こうの世界に行っている――。
「立ち入り禁止の屋上なの――」
「常時、施錠されているのだけれど、まぁどうやって鍵を開けるかは――わかりますね――」
もうポーターから、インターナショナルクラスの素性は聞いているでしょう――と言わんばかりの簡素なひばりの説明――。
りおんは、小さく頷き、理解した――要は誰も立ち入らない屋上でのタイマン勝負――。
施錠など、「魔法」でどうにでもなる――という事――。
リンスロット、ひばりが行き、少し遅れてりおんが屋上へ出る――クローザー機能で扉がゆっくりと閉じられ、誰が魔法を使ったのか、「カチャ」っと回転式の鍵が閉まる――。
キャサリンは、数メートル先の金網フェンス前に陣取り、「やる気」が全身から溢れている――。
空はこんなに青く、澄んで、高いのに、喧嘩の仲裁なんて――。
「お腹空いたなぁ――」
左手で腹を擦り、気乗りしない声を落とすりおん――。