適当魔法少女・りおん!!
「何を言っているりおん、こんな狭い場所で決着をつける訳がないだろう――」
「えっ、ステッキさんっ――何処っ――」
制服の胸ポケットから、更に小型化したステッキさんが、りおんの本意を抽出して言った――。
「さっき鞄から弁当箱を取り出したろ――その隙にな――」
「その隙って、ステッキさんはついて来なくていいでしょ――」
「りおんさん、説明不足でごめんなさい――実は――」
ばつが悪そうに、ひばりは言い、細くしなやかな腕の先の人差し指が、天空を示す――。
「えぇーーーーっ――」
りおんの絶叫と同時に、胸ポケットに忍ばせていたポーターをそれぞれが取り出す――。
「先に行くぜ、ひばり――とろとろすんなよ、こまっしゃくれっ――」
ポーターを標準化させ、飛行魔法を起動し真っ先に空へ上がるキャサリン――。
「がさつな飛び方ですわね――」
リンスロットが「哀れ」に言い、自身はあくまで上品に空へ舞う――。
あっという間に、見えなくなる二人――。
「あーぁ、そうなんだ――ここじゃなくて、あそこでやるんだ――んまぁ、ここじゃ確かに誰かに見られるって事もあるもんね――」
ぽかんと、二人の行く末を眺め、半分納得、半分面倒な空腹のりおん――。