適当魔法少女・りおん!!
すっかりお馴染みの、中軌道領域――。
異物が取り除かれた、清らかな世界――。
蒼い地球を拝める「贅沢」な環境で、二人の少女による意地の張り合いが展開される――。
「わたくしに、あなたの下品な攻撃は通用しませんわよ――」
「そっちこそ、か弱いお嬢様のヘタレ魔法なんざ、痛くも痒くもないんだよっ――」
防御シールドを展開し、攻撃魔法で応戦――互いにその繰り返し――。
ひばりが言う通り、ゴールドスターの二人の実力は拮抗し、終点が見えない――。
更に言えば、ダークエネルギーを壊滅する訳でもないのだからと、ポーター同士が口裏を合わせ、魔法出力を抑制して「喧嘩」を演出、結果、飽きと体力消耗を巧みに誘導し、引き分けに持ち込もうとする意図も感じられる――。
実際、わかっているかの様にひばりは自分の手のひらで二人を弄ぶかの様に、「うん」、「はい」と小さな声を解き放ち、判定のタイミングを伺う――。
りおんは、ひばりの横で何故自分はここにいるのかと疑い始める――。
空腹が、理性を蹴散らそうとしている――。
空腹感が極限に達すると、機嫌を損ね、悪態をつく癖がりおんにはある――。