適当魔法少女・りおん!!
「では、行きますわよ――」
勇ましいリンスロットの号令を合図に、ダークエネルギーに立ち向かう欧州カルテット――。
「りおんさん――聞いていますか――」
放課後――。
進路指導室――。
羨望と自己嫌悪――。
りおんの心は混濁する――。
これぞ「魔法少女」――欧州カルテットの淀みない攻撃に「適当魔法少女」などと、嘯いていた自分が恥ずかしく、情けない――。
あっさりと5時限目内にダークエネルギーを壊滅した以降の記憶も曖昧で、6時限目が果たして何の授業だったのか――。
りおんを呼ぶ校内放送にも反応せず、ひばりにつき添われて進路指導室の前に――そんな綿菓子の様なふわふわした脳内映像を鏡花が溶かす――。
「監理局の処分を伝えます――」
「あっ、はい――」
鋭利な言葉の刃先に触れ、我に帰るりおん――。
そうだった――魔法少女失格の烙印――。
それが今、言い渡される――。
「それと、隠れていないで出てきなさい――」
鏡花がりおんの鞄を見つめ、中の「住人」に言った――。
「久しいな鏡花――相変わらず手厳しい――」