適当魔法少女・りおん!!
「まぁそれは当然と言えば当然でしょう――数十、数百億もかけた衛星が軍事目的の為だったとしても、突然消えたのですから、アメリカ政府の怒りは至極全うな事はりおんさんも理解できるわね――」
「はい、それは――」
「その事を理解していれば、今はそれでいいです――」
「鏡花先生がそう言うのでしたら、わたしは――」
口が「戯れ言」を発しながらも、絡んだ糸がほどききれていないりおんの心――。
鏡花は、りおんの「言葉」と相反する「態度」を解析し、補足を続ける――。
「ふふっ、でもね、はいそうですか――申し訳ありません――当事者は厳正に処分し、破壊してしまった衛星も新たに製造、打ち上げに至るまで監理局が全て補償します――――とは、ならないのよねぇ――これが――」
やや呆れた表情と口調に変化した鏡花が、世界の「複雑」さを哀れむ――。
「りおんさんの年頃の世界もいろんな事情がある様に、監理局と各国政府の間にも事情と駆け引きが厳然とあるのですよ――」
「――――」
「ここでりおんさんに詳しく話すつもりはありませんし、皆さんお気づきの通り監理局に所属している私でさえ、知らない事の方が多いのですから――」