適当魔法少女・りおん!!
6―あなたは――。
45層にも積み上がった塔が、りおんの視覚に入る――。
「うぅ――」
まだ新居に馴染めず、拭いきれない違和感――。
りおんの上の階、45階の全ての住居は現在、世間を騒がし国民的人気を手中にしつつあるあのアイドルグループが占有し、住んでいるとの噂が絶えない誰もが羨む好立地の物件――。
「今日もあそこに帰るのかぁ――」
普通の人なら泣いて喜びそうな住環境にも、りおんの気持ちは浮き上がらない――。
適当というりおんの魔法少女「特性」に重しをしているのは、欧州カルテットの存在と彼女達の魂の圧力なのか――。
実際、りおんは何もしなかった――させてもらえなかった――。
「では、行きますわよ――」
リンスロットの号令からダークエネルギーの壊滅まで、そんなに時間を費やさなかった――。
ウェーブとキューブのミックスタイプ――その脅威はりおんの初陣の比ではない――。
りおんでも簡単に理解できる「脅威」――。
リンスロットが先陣を斬り、りおんのそれより数十倍も強力なスラッシュ弾を際限なく放つ――。
しかし、自己犠牲をいとわないキューブタイプの一部が集積し、リンスロットの攻撃を吸収する――。