適当魔法少女・りおん!!
そう叫びながら閉まる扉を威嚇し、つま先をねじ込む人物――。
閉まりかけた扉が開き、弾ける躰をエレベーター内に入れる――。
突飛な出来事と迫力に押され「奥」へ追いやられるりおん――。
「ふうぅ――ギリギリセーフっと――」
独り言の様に言い、閉まってゆく扉の前に堂々と立ち、独特の雰囲気を醸し出す何処かで見た様な女性――。
彼女の背中を見つめるりおん――明らかに一般人とは異なる風情とオーラを際限なく放ち、りおんに照射する――。
服のセンスも着こなしも「一流」――よく見ればりおんとそう変わらない年齢――。
デニム生地のマイクロミニスカートにレギンスで覆われた張りのある太股――全てを魅せている様で魅せていない――。
少女の無垢さと大人の策略が、躰と魂に同居する、りおんとは「真逆」な少女――。
彼女は何階の住人なのか――華奢な指先にりおんの視線は集中する――。
「あっ――」
心で呟くりおん――。
45階――。
静かに、スムーズに上昇するエレベーター――。
まさか、本当にあのアイドルグループが住んでいる――。
あの「ヴィーラヴ」が――。
彼女の背中が「そうよ」と言い、息を呑むりおん――。