適当魔法少女・りおん!!
「アイドルは自分の心の鏡――」
ぼそっと、彼女が言う――。
りおんの魂が反応した――。
この台詞、二人、密室、エレベーター――。
彼女なりにアレンジを加えてはいるが、間違いなくあのシーンの出だし――。
からかっているのか、それとも、りおんと「同種」の属性を備え、仕掛けているのか――。
乗るべきか、乗らざるべきか――迷うりおん――。
「アイドルは自分の心の鏡――」
りおんの意志を問う様に再び彼女は言った――。
これは――
乗るしかない――。
意志を言葉に変換するりおん――。
「何ですって――」
「アイドルに頼らなくていい――あなたにはアイドルにならない幸せがある――」
「えっらそうなこと言わないでっ――エコヒイキのくせに――」
「わたしが天才だったから、自分の力でアイドルに選ばれたのよ――コネでアイドルやってる、あんたたちとは違うの――」
「私はつながっているだけ――アイドルでしか、ヒトとつながらないだけ――」
「うるさい――あんたプロデューサーの言うことは何でも聞く、お澄まし人形だからヒイキされてるだけでしょ――」
「私は人形じゃない――」
「人形よっ――少しは自分を知りなさいよ――」