適当魔法少女・りおん!!

「私達の世界を皆羨むけど、誹謗、中傷、策略、謀略――腐った世界だよ――だけど、生きていくしかないよ私は――」


「無い物ねだりをしても意味がない――私は黒い怨念を煌めく宝飾品で覆い隠した世界で生きてゆく――りおんちゃんは、どうかな――」


「わたしは、普通で良かったんだけど、何で言うか周りが凄い人達ばっかりで、ちょっと落ち込んでるかな――」


「わたし――色々と適当だから――」


りおんは顔を伏せた――。


彼女から溢れる気概が眩しく、躰が吸収しきれない――。


「適当――いいんじゃないそれで――」


「えっ――」


「結構世の中って適当に動いてるよ――」


「そうなのかな――」


「そうだよ――天才や頭のいい人達がこの世界を牛耳ってこの程度なんだから――争いは絶えない、経済は安定しない、何だが段々と生きずらくなっている――私はそう思うんだ――」


「はぁ――」


「だったら、適当でもいいんじゃない――それがりおんちゃんの個性だし、魂が落ち着く理念じゃないかな――」


「りおんちゃんは、りおんちゃんの世界で胸を張って生きてゆけばいい――誰かに劣るとか、凄いとか、そんなのはどうだっていいんじゃないかな――と、りおんちゃんを観ていて私は思うんだけど――」

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