それでも君が好き
でも、瞬本人に言えるはずもなく…。

「…当たり前だよ。本気に言うに決まってんじゃん」

そう言ったとたん…瞬に腕をひっぱられた。

そして。

どこに入ったか、と気づいたのは、その教室に入った後だった。

入ったすぐに、瞬は私に逃げ場がないように私を壁に強く押し付けた。

意味が、分からなかった。

頭が混乱して、整理ができない。

なんで、瞬がこんなことをするの。

今、自分がおかれている状況に理解できなかった。

「菜穂…顔上げて」

そう言われてすぐ上げられるような人じゃないよ、私は。

第一、こんな至近距離で顔上げられるはずないでしょ?

こんな…いかにもキスできそうな距離なのに…。

そう心の中で思っていると、瞬は黙ってる私の顎をつかんで強引に瞬の方に顔を向かせた。



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