今宵、桜の木の下で
八幡さま?
もしかして櫻井八幡宮のことかな。
よし、これも有力情報じゃない?
八幡さまの近くに住む園児で、最近亡くなった子供がいないかどうかを調べる、と。
どこで、―――?
どうやって、―――?
あっ、新聞とか?? 古い新聞って図書館に行ったら読めるって聞いたことがあったような……。
あとは、交番とか、――??
お巡りさんに何て聞く??
うーん、怪しまれちゃうかな。
でも、でも、―― よし。
思い立ったものだけでもやってみよっか。
『みことーっ』
「んっ?? 何、どうした??」
頭の中に浮かんだ考えを取り纏めながら、私はイクラへと視線を向けた。
『あのね、みこと』
覗き込むような上目づかいで私を見上げると
「えっ??」
汚れた緑の帽子をきちんと脱ぎ、ソファの上に正座をして。
『ありがとうごじゃいます』
なんて、真面目な顔をしてちょこんと頭を下げる。
「まだ何もしてないよ」
正座した太ももの上に手を乗せて、ぐっと体重をかけ私を見据える姿があまりにも可笑しくて
「っていうか、そういうのどこで覚えたの」
『ん??おさむらいさんだよ』
「テレビ??」
『うん』
大方、――
夕方再放送している時代劇でも見てたのかなって
「やっぱりかあ」
頭を撫でようとした刹那
「あれっ」
スカッと抜けてしまった手のひらに、イクラはケラケラと甲高い笑い声を上げた。
もしかして櫻井八幡宮のことかな。
よし、これも有力情報じゃない?
八幡さまの近くに住む園児で、最近亡くなった子供がいないかどうかを調べる、と。
どこで、―――?
どうやって、―――?
あっ、新聞とか?? 古い新聞って図書館に行ったら読めるって聞いたことがあったような……。
あとは、交番とか、――??
お巡りさんに何て聞く??
うーん、怪しまれちゃうかな。
でも、でも、―― よし。
思い立ったものだけでもやってみよっか。
『みことーっ』
「んっ?? 何、どうした??」
頭の中に浮かんだ考えを取り纏めながら、私はイクラへと視線を向けた。
『あのね、みこと』
覗き込むような上目づかいで私を見上げると
「えっ??」
汚れた緑の帽子をきちんと脱ぎ、ソファの上に正座をして。
『ありがとうごじゃいます』
なんて、真面目な顔をしてちょこんと頭を下げる。
「まだ何もしてないよ」
正座した太ももの上に手を乗せて、ぐっと体重をかけ私を見据える姿があまりにも可笑しくて
「っていうか、そういうのどこで覚えたの」
『ん??おさむらいさんだよ』
「テレビ??」
『うん』
大方、――
夕方再放送している時代劇でも見てたのかなって
「やっぱりかあ」
頭を撫でようとした刹那
「あれっ」
スカッと抜けてしまった手のひらに、イクラはケラケラと甲高い笑い声を上げた。