秘密の館
プロローグ
僕の兄さんは、僕が12歳の頃....
お婆ちゃんの館へ行く
と言って出ていったきり、帰ってこず
行方不明になっている。
その後に、お婆ちゃんとお爺ちゃんに聞い
てみた所....僕にはなにも話さなかった。
父さんは、その時
何か思いつめたような顔を浮かべていた気
がした。
でも、あの頃の僕にはそれが何なのか分か
らなかった。
僕が18歳になった今でも
兄さんの行方はいまだにわかっていない。
母さんは、弁護士で仕事が忙しく幼い
頃から中々かまってもられることが少な
かった。
父さんは、お金持ちの社長。
優しくて男前で、僕にとって大切な人だ。
けど、父さんは生まれつき心臓病で体が弱
い。
昨日は父さんが体を悪くして入院した。
............そして
妹の真美と僕は、父さんが昔暮らしていた
お爺ちゃんとお婆ちゃんのいるところで、
父さんが元気になるまでの間
過ごすことになった。