秘密の館
高野は欧米的な扉を開き、二人を館の中へ
案内した。
中は古臭いが、意外と綺麗だった。
置かれている家具は、どれも高価な物ばか
り。
「 柊(ひいらぎ)様!。
お二人を連れてまいりました。 」
トン ........ トン.... トン....
すると海人のお爺ちゃんとお婆ちゃんが現
れた。
「海人に真美!。会いたかったよぉ!。」
お爺ちゃんは嬉しそうだった。
「高野、もういいわよ。下がりなさい。」
お婆ちゃんがそう言うと、高野は丁寧なお
辞儀をして左側にある向こうの部屋へ消え
ていった。
「お爺ちゃーん!。」
真美はウェーブのかかった髪をなびかせな
がら勢い良くお爺ちゃんに抱きついた。
「真美も大きくなったなぁ。」
「海人。来なさい。館を案内するわ。」
「....。」
海人は何も言わず、お婆ちゃんについて
行った。