姫恋華〜ひめれんげ〜【改稿版】
黒船見物から帰り、母に桜の枝を送った日から程なくして、譜代外様の大名を招いての花見の宴が催されることになった。
異国の船の来航や、それに伴う諸藩の反応の温度差など、お上としても頭の痛い事案が続いていて、この辺りで一度情報交換も兼ねた気分転換なんてどうですかという思惑からの企画であった。
何か事が起こった際には大名皆将軍のもとに集い、諸藩一致団結してそれに当たろうと鼓舞する狙いもあるようだったが、果たしてそう上手く行くのか。
300年という泰平の世にあって、将軍の求心力は幕府の重臣たちが思う以上に弱まっており、今また帝のもとに人心が戻りつつある。幕府の中でその事に気付いている者はごく僅かだった。
そしてそんな時代の変遷など何処吹く風と、今日も我が道を行く少女が一人……。
異国の船の来航や、それに伴う諸藩の反応の温度差など、お上としても頭の痛い事案が続いていて、この辺りで一度情報交換も兼ねた気分転換なんてどうですかという思惑からの企画であった。
何か事が起こった際には大名皆将軍のもとに集い、諸藩一致団結してそれに当たろうと鼓舞する狙いもあるようだったが、果たしてそう上手く行くのか。
300年という泰平の世にあって、将軍の求心力は幕府の重臣たちが思う以上に弱まっており、今また帝のもとに人心が戻りつつある。幕府の中でその事に気付いている者はごく僅かだった。
そしてそんな時代の変遷など何処吹く風と、今日も我が道を行く少女が一人……。